● 八幡湯の釜場で作曲「灰(hai)」

私事ですが、最近テレビで「9ボーダー」というドラマを観ています。三姉妹だったり、薪で焚いていたり…設定が八幡湯と重なるところがある一方で、「ドラマのセットは綺麗だなー」と思いながら。

薪で焚くということは、当然灰が出ます(毎日大量に出る灰は、ご自由にお持ち帰りいただいています)。灰箱や煙突各所を掃除すると、マスクや手袋をしていても灰があらゆる隙間から入り込んできて、鼻の周りも中も真っ黒になります。爪も指も真っ黒。そして、廃材を使っているので、錆びた釘があちこちから常に狙ってくるので常に気が抜けません!

釜の火をちょうど良いタイミングで強めたり保ったりするには、火の声を聞いて、適当な材を選んで、適度な量を適切な塩梅で焚べる必要があります。この「適」にはちょっとしたコツが必要で、母も私も少しずつ覚えているところ。もちろん危険を伴う「火」を扱う現場なので、細心の注意も必要です。営業を終える頃、1日よく働いてくれた火が少しずつ灰と炭になっていく様を見ると、思わず「今日も1日、おつかれさまでした」と語りかけそうになります。

薪で焚く銭湯は、水と木と火と土(灰)、これらのエレメンツが巡る場所。そして、特に釜場は力仕事の場所なのでアドレナリンが出る一方で、穏やかに燃える火をみていると(揺らぎの効果か?)リラックスできる場所でもある気がします。

そんな銭湯の釜場で…
アドレナリンを大量に放出させている時に曲が浮かんだので、音にしてみました。父は若い頃「パンク(よく目が充血していたから、目がパンクしたことに由来)」と呼ばれていたそうですが、私も若い頃「Punk(元気が取り柄のロックミュージシャンをしていたことに由来)」と呼ばれていました。意味は違えどパンクな親子が垣間見えるような元気な曲です。営業終了間近の時間帯に撮影した釜の火の表情と共に、笑って視聴いただけたら嬉しいです。

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